くだもの新発見

マーク・マツモトが出会う。くだもの新発見

世界中のおいしい「食」を追求しているマーク・マツモトが日本のくだものとの触れ合いを通じ、改めてくだもののことを考えるコラム。

2015.04.15

Introduction

初めまして、マーク・マツモトです。私は、現在、プライベートシェフとして世界中をまわっています。ほかには食に関するライターとして活動をしています。 生まれは九州の宮崎県で、生後6か月の時に家族とともにアメリカに移住をしました。

幼少期のほとんどの時間をカリフォルニアのナパという町で過ごしたのですが、私の子供のころの印象的な記憶というと、日本に帰省したときに祖父母と過ごした思い出です。近くの海へ祖父と釣りにいく、曽祖母と畑に大根を収穫にいく…そんな素敵な日本の食に関する思い出がたくさんあります。

 

食に対する興味は、 仕事を始めてからも続いており、2010年に、テクノロジー関係会社の重役 としての仕事を離れ、食の世界で活動することを決めることになりました。私の食の想いの原点は日本にあるので、そこに戻るべきなのではないか、と考えました。そこで、2011年、私は活動の拠点を日本に移したのです。

 

最初日本での生活は、大変でした。日本語は、あまりしゃべれず、読み書きはままならないからです。しかし、それらの心配や不安は、スーパーマーケットを訪れるたびに解消されたのを覚えています。スーパーマーケットには、日本の良さが集まっています。傷から守るために個別に丁寧に包装されているくだもの、冷凍、冷蔵の物には、保冷剤をつけてくれること、これらを日本の多くの人は当然の光景として捉えるでしょう。しかし、日本以外で暮らす人にとって、これはとてもありがたいことです。

 

国産のくだものについてお話する前に、少しアメリカのくだもの事情についてみなさんにお伝えしたいと思います。私はカリフォルニアのナパというところで育ちました。ナパは静かな農業の町で、最近ではワインで有名な地域です。カリフォルニアでは、アメリカのくだものの多くを生産していますが、くだものの質よりも商売を重視しており、このことがアメリカのくだものの味に如実に表れていると思います。

 

例えば、苺に関して、カリフォルニアではアメリカ内の苺のうち80%を生産しているのですが、苺が大きく赤くなっても甘くはなく、苺のいい香りもしません。なぜならば、アメリカの苺は害虫に強く、長く貯蔵でき、大量に収穫できるように、味や香り、食感などに考慮せずに作られているからです。これは、苺だけでなくほとんどのくだものや野菜全体にも言える傾向があります。

 

他には、桃はアメリカで販売されるときは、個別の包装がされていないので、まだ全然熟れてない内に収穫されます。そのために甘さはなく、ニンジンのようなサクサクした食感があるため、私はアメリカの桃はくだものとして食べるのではなく、サラダや炒め物などにして食べることの方が向いている、と考えました。

 

初めて『にっぽんの果実』を試してほしいと言われたとき、なぜこんなに品質の良いくだものを缶詰にするのかとても不思議でした。しかし、一口食べてみると、すぐに納得しました。 初めに『にっぽんの果実』のブルーベリーを開けてみました。ベリーの甘い花の香りで、わくわくしてきました。私はすぐにスプーンを入れ、いくつかのベリーを取り出してみました。小さくて柔らかく、風味が豊か。フレッシュフルーツ、冷凍を含め今まで味わったことのない最高の味のブルーベリーでした。しかし、何より私を驚かせたのはそのシロップでした。

 

多くのくだものの缶詰では、シロップは単にくだものを保存するための甘い液体にすぎません。ほとんどは、容器と一緒に捨ててしまいます。しかし、深い色合い、さらっとしたこのシロップをスプーンですくってみたくなりました。過ぎない甘みと酸味、芳醇なブルーベリーの香りがするこのシロップは、他のシロップとは異なる、まるでジュースのような深い味わいでした。

 

好奇心が湧いた私は、白桃から日向夏まで他すべての缶詰を味わってみました。それぞれの果物のしっかりとした味、香り、食感が残っていました。そして共通点に気がつきました。まず、最初に、甘さです。人工的な強い甘みではなく適度な甘さがくだもの本来の自然な甘さを絶妙に引き立てています。次に形です。デリケートな柑橘類でさえも、その形をくずさないようにひとつひとつむき、種をとっています。そして、最も大切なのはこのシロップはくだものと同じような美味しさを秘めているところです。捨てられてしまうものではなく、 ドレッシング、ソースやカクテルを作るためにも使用できるシロップだと思います。

 

シェフとして、『にっぽんの果実』を使って料理をしていくことはとても楽しみです。世界中にいる私のクライアントに日本のくだもののすばらしさを届けることができるからです。今後、数カ月にわたって、私は『にっぽんの果実』を楽しむためのヒントやレシピをみなさんと共有し、果物を栽培している農家を訪問し、にっぽんの果実を使って美味しい料理を作っていきたいと思います。その共有を一緒に楽しんでいただければ幸いです。

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